Positronium Hyperfine Structure


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Purpose of the Experiment

Positronium (Ps) は電子と陽電子の束縛状態であるので、 その系は quantum electrodynamics (QED) のみで記述できる。 そのために QED の検証を行う対象として理想的である。 また、positron source は Na22 の checking source を使うことで 簡単に扱えるため、学生実験には最適でもある。

Ps の基底状態は電子と陽電子のスピン相互作用から、 三重項と一重項に分離している。 このエネルギー差を hyperfine structure (hfs) と呼び、これを測定することが 我々の実験の目的である。 また、選択則から、三重項は 3 光子崩壊、一重項は 2 光子崩壊することが 分かっているので、これを利用する。

QED を使った理論計算によると、hfs が 203.427 GHz であることが分かる。
一方 1957 年に V.Hughes らが行った実験では、203.33 GHz という値が得られた。
また、1969 年に E.Theriot らは、203.403 GHz という値を得ている。

我々は E.Theriot らが行った手法に従い、 静磁場中に生成された Ps について、

の 3 つを測定する。 これを元にすると microwave の有無による 2 光子崩壊数の変化は、 磁場の関数として計算でき、次のような共鳴曲線が得られる。

共鳴曲線

この曲線のピークの磁場の値から hfs の値が計算できる。

なお、この実験は 1998, 1999 の卒業研究から引き継いで行っている。


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